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あらゆる種類の素材

時計づくりにおいて、ムーブメントにはスチールと黄銅(ブラス)、そしてケースにはスチールと貴金属が伝統的に使用されてきた素材です。しかし製作者は時として独創性に富んでおり、通常使用しない驚くような素材を取り入れることがあります。

刺繍の文字盤

伝統的であれ近代的であれ、技術者は人が思いつく以上の様々なものを活用します。ピアジェはマイクロ点描技術を使い特注の文字盤を作ります。いっぽうウブロは古来から伝わるザンクトガレン刺繍の技術を、驚く方法でビッグバン ウォッチに置きかえました。チュール刺繍の要素は、生地を増幅するために、炭素繊維で固着し形成することです。 2013年、針を使用したニードル・ペインティング技法で刺繍を施したシャネルウォッチはジュネーブ・ウォッチ・グランプリを受賞しました。

藁の寄木細工

2012年エルメスは藁の寄木細工技術を新たに解釈して時計に取り入れました。元々家具に採用されてきた技術を時計の文字盤に取り入れるには、小型化という長く困難な努力を要しました。ライ麦の藁は、初めに手摘みされ、その後、藁の束は深い色合いに染め上げ乾燥させます。そうすることで微妙な色合いが出てきます。次に、細いナイフで藁の束を開き、骨で出来た器具を使い平らにします。その藁の色合いと向きに注意しつつ、職人は紙面上に模様を組み合わせていき、その模様を文字盤に移し糊付けします。

羽毛細工

羽毛は慎重に分類され、安定性、密度、きめ細かさに応じて選別されます。さらに洗浄され、蒸気で安定化され、手でカットされます。ディオールのグランバルのようにローターに取り付ける前に、純金のクジラのひげを模った細長い骨組みに、カットし組み合わせて固定します。ローターには、19枚に羽が千鳥状にセットされます。また、この羽毛の装飾が、ハリーウインストンのプレミアム・フェザー・ダイアルに装着されると、その技術は寄木細工のようにも見えます。羽毛をデザインした模様に合わせてセットして、平らに貼り付けます。

新しい素材

ますます厳しくなる開発要求に応えて、自動車産業や航空機産業は新素材の出現に大きな影響を受けてきました。金属や非金属合金、セラミックス、カーボン・ナノファイバー、シリコンやその他数多くの素材は、もはや特定の分野に限られるものではありません。いっぽう、時計業界に、すばらしい可能性をもたらしています。リシャールミルが2001年に RM 001を初めて発表した時は、新素材を時計に使用することにより、時計づくりの世界に全く新しい分野を開拓したのです。